** cam on nacci **

--- なちがみさまと将軍様 A ---

他の雑誌とは一線を画した濃いなちグラビアを何度も掲載してきたビッグコミック・スピリッツ。
その裏には超国家的な裏の力が働いているとなちがみは言う。

「管理人さん、この国には言論や出版の自由があるわよね?」
「はい。こんなサイトでもそれをよりどころに体制のお目こぼしをいただいて日々存続しています。」

「世の中のメディアがすべて公平な立場で物事を伝えているとは限らないの。」
「ええ。同じ事件を扱っていても新聞によって違う社説が掲載されていたりしますね。」
「中には明らかにある種の団体の圧力によって書かされたと思われる記事が載っていたりすることもあるでしょう?」
「はい。」

「利権や賄賂が目的で自ら礼賛記事を書いているというのなら、まだ書き手には選択の権利や自由があると言えるわ。
でもね、自分に都合のいい記事を書かせるために拉致や脅迫のような手段が裏で使われているとしたらどうかしら?」

「いや、しかし・・・。小説や漫画ならともかく、現実にこの社会においてそんなことがありますか。法治国家ですよ、この国は。」
「弱みを握られた記者は従わざるをえない。追い詰められた人間が脅迫に屈したとしても彼を責めることはできないわ。」

「人の弱みにつけこんで思いのままの記事を書かせる。編集者を脅迫して自分に都合の良い内容の特集記事を組ませる。
戦時中のような国家による検閲はないけれど、現実に脅迫のような手段で書かされた記事が新聞や雑誌に載っているかもしれないわ。
それでも言論や出版の自由が本当にこの国にあると言えるかしら?」

「なちがみさま、あなたは何が言いたいのです?スピリッツのなちグラビアの話をしていたのですよ。」
「新聞の記事だけじゃないわ。雑誌のグラビアでも同じことよ。」

「まさか。スピリッツ編集部が誰かに脅迫を受けていると言うのですか?」
「管理人さん。声が大きいわよ。」
「スピリッツ編集部がどこからか圧力を受けているとでも言うのですか?スピリッツの巻頭に濃いなちグラビアをたくさん載せるようにと?
そんなバカなことが・・・!」(続く)

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** 16saino koinante nacci **

--- なちがみさまと将軍様 B ---

"ビッグコミック・スピリッツの巻頭になちグラビアをたくさん載せろ。"
誰かがスピリッツ編集部をそう脅迫している?
今まであの雑誌に濃いなちグラビアがたくさん載ってきたのはそのせいだというのか?

「やっぱり知っていたのね、管理人さん。かわいそうに、知らない方が身のためなのに。」
「えっ?いや、だから管理人は何も知りませんって!そんなスピリッツ編集部の裏事情なんか知りませんよ!」
「今あなた言ったじゃない。スピリッツ編集部が誰かに脅迫されていると。」
「なちがみさまが言わせたんでしょうが!あなたがオレを誘導したんじゃないですか!き、汚い手を使う神様だなあ。」

「今のスピリッツの編集長を知ってる?」
「いや、知りません。雑誌の編集者なんかに知り合いはいません。」
「彼はある人物の意向を受けてスピリッツ編集部に配属されてきたの。北の国の人間なの。」
「はあっ?北って何ですか?」

「なちグラビアをスピリッツに掲載すべく、北の指令を受けてスピリッツ編集長にとって替わった人物よ。」
「はああっ?」
「前編集長は今頃はどこにいることやら。」
「バ、バカな!編集長を拉致して替わりに傀儡(かいらい)を据えたというのですか?なちグラビアをスピリッツに掲載するために?」

「拉致されたとは言ってないわ、証拠がないもの。"今頃はどこにいることやら"と言っただけ。」
「行方不明ってことですか?拉致されたんでしょう?何で警察が捜査しないんです?」
「表向きは本人の意思による退職よ。辞表も受理されてるし。誰かが書いたニセの辞表ですけどね。」

「前編集長がいったい何をしたというのです?なぜ彼が拉致されなければならなかったのですか?」
「彼はなちグラビアの掲載に消極的だったの。」

言論と出版の自由を標榜するこの国で、自分の思い通りのグラビアを雑誌の巻頭に載せたいがために編集長を拉致してそのクビをすげ替えた?
そんなことが現実にあっていいのだろうか!

「とうとう知ってしまったわね、管理人さん。」
「はあう?」
「知ってしまった人間はいずれ消されるわ。かわいそうに。さようなら、管理人さん。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」 (続く)

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